このような疑問を抱きながら、生活されている方もいらっしゃるようですので、
ご説明します。
フィリピンに移住し、年金口座を日本国内からフィリピン国内の金融機関に
変更する場合、「年金の支払を受ける者に関する事項」と
「租税条約に関する届出書」を日本年金機構へ提出します。
日本国内の源泉所得(年金等)の支払を受ける非居住者等が、日本において
源泉徴収される所得税及び復興特別所得税について、租税条約に基づく
軽減又は免除を受けようとする場合の手続きです。
この届出書は、その支払内容によって書式が異なり、非居住者は、
この届出書を所得の支払者である源泉徴収義務者(日本年金機構)ごとに
正副2部作成し、支払者の日本年金機構を経由して支払者の納税地の
所轄税務署長に提出することになっています。
従って、2部作成したからといっても、1部は相手国へ提出しているわけではありません。
租税条約締結国(相手国)の年金事務所には、「年金の支払を受ける者に関する事項」と
「租税条約に関する届出書」の用紙が置いてあり、海外からでも申告できるようになっています。
ですから、様式は全て日本語と英語で書かれています。
これを勘違いして、海外の相手国にも提出されると思っている方がいます。
海外に移住すると日本の居住者ではなくなり、海外の現地国の居住者となります。
日本から見て「非居住者」の取り扱いとなります。
これらの届出書の提出により、日本の所得税は課税されなくなります。
代わりに居住者となる外国の課税が適用されることになります。
しかし、フィリピンにおける所得課税の一般原則では、課税されない仕組みになっています。
An alien individual, whether a resident or not of the Philippines, is taxable only on income derived from sources within the Philippines;
翻訳:「フィリピンの居住者であろうとなかろうと、外国人は、フィリピン内の源泉に由来する所得に対してのみ課税対象となる。」
つまり、給与所得には課税されますが、年金についてはフィリピン人も外国人も課税されない仕組みなのでご安心下さい。