フィリピン妻はなぜ、日本での生活費が安いと感じるのか
どうも、オリバーです。
私は東南アジアに短期留学した経験があります。フィリピンとマレーシアで6ヶ月ほど英語を学んでいました。
海外に数ヶ月滞在していると、現地に定住している日本人に会うんです。
私はその人達を見て、憧れのようなものを感じていました。
「海外で会社に依存しない生活をしてみたいな。ノマドワーカーって憧れる。物価の安い国に移住すれば生活費も抑えられるし、将来は海外移住もありだな。」
なんとなーく。そんな安易な考えを持っていました。
私が短期留学していたのは今から6年前なので、フィリピン留学が流行り始める少し前です。
その後フィリピン留学がブームになるのですが、当時はまだ海外移住を考える人は多くありませんでした。ネットで検索しても移住の情報は少なかったと記憶しています。
しかし今では、実際にパソコン1つで海外に移住している人もいるようです
いわゆるノマドワーカーですね
グーグルトレンドを見ても、ここ数年で海外移住の検索数が増えています。
途上国に移住するメリットはやはり物価の安さでしょうか
若いうちであれば海外の日本法人で就職も可能でしょう。また日本円でお給料がもらえれば物価の差でいい暮らしができそうです。
妻に聞いてみた
私には外国人の妻がいます、中国系のフィリピン人で日本に来て4年ほど経ちます。
フィリピン生まれで、大学はアメリカ、卒業後はフリーランサーをしながら日本に滞在しています。
フィリピン人妻から学んだ人生を楽しく生きるための7つの教訓
そんな妻に聞いてみました。
いつか東南アジアに移住したい。日本である程度お金を貯めたら移住しよう。生活費は安いし、ネットの稼ぎで生活できるよね。
すると妻は、なに言ってるの?日本って生活費安いじゃない?多分フィリピンに行くと生活費上がるわよ!私の頭の中では「???」理解ができませんでした。
(こんだけ平均所得に差があるのに、生活費が上がるわけないよね?)
(日本に残りたくて言っているのかもしれん…そこも含めて探ってみるか…)
ということで、詳しく聞いてみました。
この記事では、「途上国出身の妻が考える、日本での生活費が安いと感じる理由」を紹介します。
下のような人にオススメです。
東南アジア移住に魅力を感じている人
途上国出身の奥様、もしくは旦那様がいる方
海外就職したい人
老後はいろんな国を周りたいと考えている人
それでは行きましょう!
日本の生活費が安く感じる理由
⚠この記事では貧困という言葉を多様していますが、「貧困層」に対する差別意識はありません。またあくまで妻の主観であるので、どちらの生活が良いかは感じ方にもよると思います。
平均的な生活レベルが高い
日本は平均的な”生活の質”が高いのよ!だから一番安いものを買ってもある程度の品質が保障されている、でもフィリピンじゃそれは通用しない、買うなら一番高いもの、それが輸入品で高いものだとしても、安物は質が悪くて買えないの、フィリピンを含め東南アジアの国々では、家電のような商品のほとんどは輸入品です。安いからと言って国産の製品は買えません。
日本では出費を減らそうと思ったときにグレードが低いものを選ぶことができます、生活費を下げるとしても方法がいくらでもあるのです。
日本での平均な暮らしは生活の質が十分についてくる、でも東南アジアでの平均は貧困層、日本人は現地の”良いもの”を買わなきゃいけないから高くつく。
フィリピンは日本以上の格差社会です、貧乏な家族は日本人が想像できないほどお金がない、一方でお金持ちは日本人が考えるよりもお金を持っています。
日本人が途上国にいけば、現地ではお金持ちに分類されます。
フィリピンでの生活費を検索すると、現地の人の生活費は云々書いているサイトがありますが、それはあくまで現地の人の生活なのです、日本人が求める生活と現地の平均レベルとかけ離れているので参考にはなりません、現地でお金持ちの生活をしようと思えば、日本以上にお金がかかるのです。
現地には全てのものにグレードがあります。病院や薬、家電、賃貸、教育、交通手段。これらには全て「お金持ち用」と「一般向け」とがあり、サービスの質と金額が大きく異なります、日本人が使うのは「お金持ち用」です、現地の平均は「一般向け」なのです。
国が機能している
私が日本にきて驚いたのは医療負担が低いこと、外国人でも公的な保険に加入できるし、負担率は3割、これなら喜んで払うわ。
日本では外国人であっても長期滞在者であれば、保険料を払うことで国民健康保険に加入できます、しかしフィリピンには外国人向けの公的な保険はありません、民間の保険に加入することになり、それがまた高いのです、日本では保険に入っていれば医療費が3割負担ですが、フィリピンでは掛け金によって負担率が異なります、つまり多く納めなければ、医療費が高くなるのです、私の妻はフィリピンにいる頃から保険に入っていましたが、日本に来てから医療費が大きく下がっています。
また日本には国民の最低限度の生活を保障するセイフティーネットとして生活保護という仕組みがあります、生活保護のおかげで、日本には「明日食べる物がない」という人がほとんどいません。
これは犯罪率を下げるために重要なことです。私たち日本人は当たり前だと思っていることですが、途上国ではこの仕組みが機能していないので、路上生活者が多いのです、日本では高い税金を払っている代わりに、公共サービスが充実しているのです。
値段が安定している
フィリピンでは物の値段が安定しないの、台風がくれば野菜の値段は高くなるし、電気料金もしょっちゅう変わる、フィリピンの通貨は弱いから、輸入品の値段も”時価”なのよ!
フィリピンでは物の値段が安定していません、理由は以下の3つです。
気候による影響
一部の企業の独占状態のため
フィリピンペソが変動しやすいので
1.気候による影響
フィリピンは常夏なので、野菜は一部の高冷地で栽培されています、その限られた地域に台風が直撃するとそれだけで、フィリピン全域の野菜の値段に影響が出るのです。
またマニラに住んでいる場合は、車で6時間ほどかかるバギオという標高の高い町で生産された野菜を作ります、日本のように道路が整備されていないので、少しの雨だけでも野菜が届かないことがあるのです。
2.一部の企業の独占の影響で
またフィリピンでは電力会社は民間企業1社しかなく、市場を牛耳っているので値段がコロコロ変わります、しかもフィリピンの電気料金はアジアで一番高いと言われるほど高額で日本とほぼ変わりません、民間企業なので、国が口を挟む余地はありません。日本では電力の小売自由化が進んでいますが、フィリピンに住めば選択肢は1社です。
3.フィリピンペソが変動しやすいので
通貨には日本円や米ドルのようなハードカーレンシーとフィリピンペソのようなソフトカーレンシーがあります。
リーマンショックのような世界的な金融危機になると、フィリピンペソのような弱い通貨は人気がなくなり売られます、フィリピンの経済の状況によらず、通貨の価値が大きく変動するのです。
フィリピンでは自動車や家電、スマホなどの機械はもちろん、本や雑誌などは輸入品が多いのです。そしてペソの価値が下がればこれらの値段が上がります。
日本は内需が大きいので国内の企業に大きな企業があります、つまり円の価値が変わって値段に影響が出るものは限られているのです。
移動手段が豊富
フィリピンでは日本みたいに交通機関が時間を守らないから不便、外国人が使うとしたらウーバーっていう配車サービスでタクシーを呼ぶことになるの。
フィリピンで日本人が使える交通手段はタクシーがメインになります、ジプニーやバスという交通手段もありますが、ほとんどの日本人には高いハードルです。
当然タクシーは公共交通機関よりも料金が高いので、常にタクシーでは高くつきます、
日本のように、JRや地下鉄が快適に使える環境ではないので、外国人にとっては移動手段が限られることになるのです。
安全が保障されている
世界には日本みたいに安全が保障された国はほとんどないの、だからみんな居住費にお金をかけて、安全をお金で買うのよ。
日本にはスラム街がありません、どこに住んでも命の危険を感じることはないはずです。一方でフィリピンのような途上国ではどこに住むかで安全性が変わってきます、
フィリピンのお金持ちは、安全をお金で買っているのです。
ちなみに妻は割と良い地域の出身ですが、今までに2回誘拐されています、妻によると
日本人も十分に誘拐の対象になり得るとのことです。
フィリピンで安い物件に住むと危険であるのに加えて、水没地域であったり、衛生状況が悪い地域である可能性があるようです。
マニラで安全な暮らしをするであれば居住費は日本と変わらないくらいの出費になります。
まとめ
日本とフィリピンの生活費を比べると、妻の感覚ではフィリピンの方が高いとのことです私が短期滞在したときは独り身だったので、生活費が安く済みましたが、家族で住むと高くなるのかもしれません。
インフラの整備が進んでいない国への移住は日本人が想像しないリスクがあります、移住するのであれば、ネットの情報だけではなく、実情を知ってからでないと難しいと思います。
「周りに聞けないお金の話」の記事より掲載
セブはマニラに比べれば未だ多少は物価は安いですが、基本的には同じ条件と理解されるのがよろしいかと思います。