セブ島移住者による交流会のブログ

セブ島移住者による「すみれ会」及びロングステイヤーの集い「木曜会」の活動状況を発信して行きます。

シニアの生活 その5・・・自宅で介護

レンタカーでアパートへ到着。
セブ・チョンワ病院で車椅子から車へ載せる時に見ていたので、
降ろす時も同じ方法(お姫様だっこ)で降ろしてみたが、
入り口のドア付近で力尽き、入り口近くのソファに座らせた。


K氏:「○○チしたい」
私:「ちょっと待って」
一階にもトイレがあるのだが、テーブルなどが邪魔して、
お姫様だっこでは運べない。前から両脇を抱えて立たせ、
片足だけででも支えて貰おうとした。
抱えた時点で既に紙おむつの股間部分から○○チが
ポロリ、ポロリと・・・。ウァー・・・と大急ぎでトイレへ運ぶも
既に遅しで、床一面が○○チまみれに・・・
便器に座らせ、紙おむつを取り除くと一面が悪臭に包まれました。


私も妻も、これらの処置をしたことがなかったので、パニクリましたが、
さすがに介護士のA嬢、手馴れた作業で、新しい紙おむつまで
履かせることが出来ました。


いよいよ、どうやって2階まで運び上げるかが問題でした。
狭い階段をお姫様だっこで一人で運ぶことは困難でした。
丁度、椅子に座っていたので、私が背もたれを持ち、椅子の
前両足を片方づつ、妻とA嬢に持ってもらい、運ぶことにしました。


階段の途中で力尽きましたが、休憩しながらも、何とかベットへ
寝かせることが出来ました。


これから先は、介護士と妻の仕事が主流になり、私の出番は
ここまでです。
オムツ替えや食事、薬の投与が主な介護ですが、患者は
まるで5歳の子供と同じなので、「水を飲みたい、麦茶を飲みたい、
刺身を食べたい、ブランデーを飲みたい」、「身体が痛い、マッサージ」、
「眠れないからテレビを付けろ」など・・・傍に誰も居なくなると大声で
わざとらしく、甘える始末なのだ。
初日から2日間は、ベット横の床にマットレスを敷き2人で付き添ったが
本人は、未だに一睡も出来ないというのだ。
脳梗塞の症状で睡眠を妨害しているのか、或いは、睡眠している
自覚症状がないのか定かではないが、一晩中、甘えられては
介護している者としては、たまったものではない。
正気の頃のK氏でないことは十分わかっているが、あまりの横暴さに
3日で妻と介護士が疲労困ぱいしてしまった。


丁度、その頃にNHKの番組で「息子介護」という特集番組があり、
介護の極意を教えられた。
1.介護は、一人で背負うものではなく、チームプレーで行う。
2.他人の感覚で接する。
3.プレーヤーでなく司令塔になる。
4.やらされ介護ではなく、やる介護。


親や身内の介護となると自分一人で背負い込み、相談できる人も
おらず、虐待に発展することも現実問題であるという。
これらの介護の闇に嵌まり込まない様、他人の感覚で、
チームプレーで行うことが、介護者の負担を大幅に軽減
出来るものだということを身に染みて感じた。


この話をA嬢に話すと「その通りなんです」とベテラン介護士は
理解していた。
そして、A嬢は、K氏にこれ以上甘えないようにと釘を刺した。
K氏は、怒りだし、ベッドなあったものをA嬢に投げつけたのだ。


それを聞いた私は、「それでいい、そうでなければ、これ以上の
介護は続けられない」と妻に諭した。
妻の血圧もその頃から193まで上昇し、いつ倒れてもおかしくない
状況だったからだ。


その後、3日間ほど、A嬢は、K氏の前に姿を現さないようにした。
そうは言っても、階下では、妻と一緒に見守ってはいた。


そして、K氏から、「A嬢に謝りたい」との言葉を妻は聞いた。


これでいいのだ。
フィリピンに移住するシニアの殆どは、日本国内に介護する人もおらず、
自分がいつか介護されることだけを想定していると思われます。
私もそう思っておりましたが、まさか、自分が介護をすることになるとは・・・


しかし、K氏の介護で妻は一人でオムツ替えも出来るようになり、
いい経験になったと思います。
後は、妻の方が先に介護される状況にならないことを祈っています。
つづく・・・

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