セブ島移住者による交流会のブログ

セブ島移住者による「すみれ会」及びロングステイヤーの集い「木曜会」の活動状況を発信して行きます。

シニアの生活 その2・・・これでもEmergency room?

救急車で到着。
真新しい大きな建物の一階がEmergency(救急)病棟の
入り口になっていた。
この建物は1年半くらい前にオープンしたので、セブ市内の
チョンワ病院と比べても全てが近代的で医療器具も新しい。
ここへ運び込まれて、先ずはセブ随一の治療を受けられると
確信していた。


K氏の左上腕部が紫色に鬱血しているので、看護士が
ビニール袋に入れた氷を持ってきた。
そして患部の上へそのまま置いた。
「おい、おい、ビニール袋を肌に直接じゃ、

冷やしすぎじゃないの?」
と思って見ていたが、ナースと妻は入院手続きで

忙しそうだったので、ビニール袋をタオルで包んで
間接的に冷やしてやった。


入院の手続きで30分位を要していたので、
「早く、患者を診て下さい」とナースへ伝えたところ、
「今日は、金曜日でドクターは忙しい」との返事。
「忙しい?金曜日だから?

ここはEmergency room」じゃないのか??」


擦り傷の手当てをするなり、腰を骨折しているかもしれない
ので、レントゲン写真を撮ってもらう様、ナースに伝えたが、
そそくさとナースステーションへ戻って行った。
それから1時間ほどして、ドクターらしき男性がTシャツに

運動靴姿で現れた。
年齢は、見たところ20代後半から30代前半か?
ドクターを待つ間、K氏と話をしていて重要な情報を耳にしていた。
当初、腰を強打して転んだと聞いていたが、
「6時頃トイレへ行こうとしたら、ベッドから起き上がれなかった」と。
やはり、一番心配していた脳梗塞の疑いが明らかになった。


若いドクターに血栓を溶かす薬を投与してもらう様、懇願したが、「私は脳専門の医師ではなく、救急部門の医師なので

出来ません。」と・・・じゃ、何しに来たの?」
傷の手当てをするでもなく、チラッと見て帰って行っただけ。


セブのチョンワと言えば、セブ最大の病室を持つ私立病院で
セブ・ドクと並ぶ優秀な病院だと思っていたのだが・・・
今日に限って運が悪かったのか・・www・・?


それから2時間位して、4人部屋の病室へ移された。
先ほどは、仮の待機所のようなところで、良くみると

心電図や血圧を計測するモニタリングが無かったのだ。

ナースが妻にK氏の服を着替えますか?と聞いた。
要は、入院用の服に着替えをするので服を買いますか?

とのことだった。
「いくら?」

「800ペソ」wwwこんな薄地の割烹着が・・・
妻が買いに行き、服を着替え、紙おむつを履かされ、
鼻からエアーチューブ、心電図、血圧、点滴などを施され、
ようやく患者らしくなった。


再度、ナースに説明し、「脳梗塞の疑いが濃いので、
血栓を溶かす薬を投与して欲しい」と・・・
妻の説明が理解できないのか?全く知らないそぶりのナース。
早くしないと投与の意味が無くなるから・・・と懇願したが、
「ドクターが居ないだから・・・。」


フィリピンの総合病院は “オープンシステム”という形態を

とっていて、医師が病院内に診察用のクリニックを独立開業し、病院内の検査施設や入院部屋を共有して使用するシステムです。
したがって、救急部門の医師と看護士以外の専門の医師は

常駐せず、独りで数件の病院を巡回しているため、いつ来るか
看護士にもわからない、連絡も取れない、緊急の患者にとっては最悪のシステムです。


向かいのベットには、別の患者が「a.b..c..d..1..2..3..」と訳の分からないことを大声で歌っている。この患者は脳梗塞なのか?認知症なのか?ナースと付き添い人が笑いこけていた。
「ここは本当にEmergency roomなの?」


それから、1時間ほどして、婦長らしきナースが来たので、
再度、血栓を溶かす薬を頼んだところ、ドクターらしき人に
携帯電話でいろいろ聞きメモを取っていた。
結局、ドクターは今トイレに行っているというので、しばらく
待つことにした。
結局、4時間待っても来なかった。


救急治療室に運ばれてから既に6時間が過ぎ、
ようやくX-ray(レントゲン写真)を取ることになった。
レントゲン室の前で待つこと2時間。
なんで2時間も掛かったかというと、K氏は立つことも、

座ることも、寝返りを打つことも出来ないので、3人係りで
姿勢を保ちながら撮影していたからだ。


そして、次にCTスキャン室へ行き、CTスキャンの撮影を
終えたところで、すでに午後4時を回っていた。


ナースが妻に「Bill(請求書)を取りに行って支払いを済ませて下さい。」と。
私も同行し、請求書の額を見て、愕然!「5万ペソ・・・?」 
「えー!レントゲンとCTスキャンだけで・・・?」


こんなこともあろうかと3万ペソは持参していたが、
足りなかった。
「明日は土曜日の為、今日中にお金を下ろしておかないと

と私だけ病院を飛び出して銀行へ向かった。


その後、K氏は、ICU(集中治療室)へ移送された。
ICUは、日本の集中治療室とは大きく異なっていて、
部屋にモニタリングの機器があるだけの普通の個室だった。


夜の8時頃、やっとドクターが来た。白衣ではなく私服で。
第一声が笑顔で「Nice to meet you?」に呆れた。
脳梗塞の患者と身内の前で何という挨拶の仕方か?

場違いにも程が・・・
ドクターは10分ほど在室していたが、K氏の身体の損傷を見ることもなく、ナースからの情報とK氏の過去の入院歴(4年前メニエール病で倒れ入院したことがある)を聞き、その時の入院記録を持ってないかと聞いてきた。
K氏に聞くと、待っているはずもなく、メニエール病と脳梗塞にどんな関係があるというのか?


ドクターへ血栓を溶かす薬を早く投与して欲しいと言うと「Already」既に投与したというが本当なのか?
ドクターの居ない4時から6時の間に投与したというので
あれば、何故もっと早く投与しなかったのか?
4時間以内ではなかったが、取り敢えず信用するしかない。
しかし、後でwebサイトで調べてみると「t-PA」という血栓を溶かす薬は4時間以内に投与するもので、4時間を過ぎると逆に血栓が破れて危険だということがわかったのだ。


ドクターは明日の午後、また来るというので、レントゲンやCTスキャンの結果を聞かなくてはならない。
面会時間の終了時間9時になったので、ICU室を後にした。
妻は、ファミリールームに宿泊し、明日の午前中も付き添う
ことにした。
脳梗塞なのか、脳出血なのかもわからない状態で一夜を過ごさなければならず不安な一日だった。・・・つづく

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